粘膜人間

粘膜人間 (角川ホラー文庫)長年ホラーファンをやっているが、グロテスクな描写には弱いところがある。
この「粘膜人間」はエログロのオンパレードで、何度か挫折したが、何とか読み切った。
頑張ったわりには、得るものがなかった。

舞台は戦中の日本と思われる。
巨大な小学生の弟の暴走を止めるため、中学生の兄二人は弟の殺害を決意する。
その方法は、河童を使った殺人である。
何かの冗談だと思ったら、当然のように沼に河童が住んでおり、力は強いが頭の弱い河童に、兄弟は弟殺しを持ちかける。

化物のような小学生と河童の壮絶な殺し合いもグロテスクな身体破壊だが、それよりも嫌なのが非国民とされた家族の娘に対する拷問である。
身体的な拷問では拉致があかないので、死を経験する薬「髑髏」が投薬される。
娘は幻覚の中で、異教徒として串刺しにされる。
その様子が細かく描写されるのだ。
あまりのグロさに途中で読むのを止めてしまった。
再開した時も、斜め読みで乗り切った。

不思議な物語だとは思うが、日本ホラー小説大賞を受賞した良さが分からなかった。
現代日本ホラーは趣味に合わないのかもしれない。

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