パンフレットの作り方について、目的別に説明されている。
作業の手順が解説されており、分かりやすい。
デザイン系の解説本は、論理的なものが多いのが意外である。
本棚を整理したら、同じで本を持っていたので驚いた。
1章ではパンフレットの役割、2章では制作基礎技法、3章では用途別の作品分析をしている。
例えば「パンフレットの力」については、1.気付かせる、2.認識させる、3.共鳴させる、4.記憶させる、5.行動させる、という「機能」について、「効果」と「デザインエレメント」を対応付けて説明している。
テーマ毎に箇条書きやプロセスチャートで説明しており、とても分かり易い。
また、パンフレットの事例が各ページにあり、イメージが掴みやすいのもありがたい。
さすがは、情報を分かり易く伝える「パンフレット」の解説書である。
特に、以下の考え方は参考になる。
[アイディアを形にする着想の仕方]
テーマ(目的の確認、全体の構想)
訴える内容(商品)の特徴は
時期(季節やタイミング)は
誰に伝えたい(ターゲット)のか
期待する効果は
市場の動向は
配布の方法
[全体をどのようなイメージにしたいのか]
ターゲットの好みは(年齢、性別、職業)
どんな時期・時間・時節は(タイミング)
配色のイメージは(カラーイメージング)
アイキャッチャーは(コピー、イラスト)
サイズ、形態、ボリュームは(サイズ、ページ数)
仕上げは(グレード)
[効果を生む流れと展開を作る]
見せ方
何のパンフレットであるか分かりやすい。
何を伝えようとしているかすぐ分かる。
読ませ方
読ませる順序や流れがスムーズである。
読みやすい書体やサイズにする。
記憶のさせ方
起承転結など展開に強弱がある。
内容が整理されていて無駄がない。
共鳴の得方
見ていて楽しい。あるいは仕掛けがある。
全体が美しくまとまっている。
[戦略の立て方]
ターゲットの視点でデザインする
知りたいこと
欲しいもの
ターゲットを喜ばせる
ターゲットが得する情報
読んで共鳴出来る
ターゲットの可能性を引き出す
ターゲットの具体的な行動目標を示す
実現可能であることを伝える
何が得られるかを明示する
何を期待しているかを明確に伝える
[コンセプトワーク(ビジュアルコンセプト]
全体のイメージの性格を決める
イメージチェックリスト
新しい・古い、強い・弱い、硬い・柔らかい、明るい・暗い、熱い・冷たい、速い・遅い
使用する配色の方向を決める
イメージチャートの利用
芽生え、成長、成熟、枯れる
形状(製本、サイズ、ボリューム)を決める
触感イメージの想像
・使用目的を考えた形やボリューム
・手にした時の使用感
受け手への思いやりを考える
3つの原則(分かりやすい、読みやすい、美しい)
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