超ヤバい経済学

超ヤバい経済学タイトルは怪しいし、書きっぷりの怪しいが、内容的にはとてもまっとうである。
一般に信じられていることが、実際の数値から見るといかに誤っているかが解説されている。

ヒットした「ヤバい経済学」の続編である。
ちなみに、原題はSuper Freakonomics。

序章から、「1年間で人食いサメに人間よりもゾウに踏み殺される人間の方が圧倒的に多いのに、サメの方が恐ろしいイメージがある」「酔っぱらって歩いて帰るより、酔っぱらい運転の方が、距離換算では安全である」など統計を元に楽しませてくれる。

第1章では、いくつかの街と時代での、売春婦のサービス価格の詳細な比較を展開している。
人の知らない小ネタについての本かと思ったら、そんなことはなかった。
その後、産婆よりも病院が危険なのは、医者が手を洗わないからだという事実を指摘し、手を洗うという簡単なことさえ、人間の行動を変えるのは難しいと主張する。
このアタリが、著者の狙いだと思われる。

後半の地球温暖化対策は秀逸である。
二酸化炭素の排出を削減するよりも、火山の噴火のように大気圏に塵を撒く事で、低コストな温度低下が可能なようだ。
私もこの戦略には賛成である。
温暖化を人間が招いているかはともかく、長いスパンで考えれば地球の気温が上下するのは当たり前である。
その状況にどう対抗するかを考えるべきだと思う。
著者が知っている温度低下の方法も、ほとんど相手にされていないらしい。
病院で医者が手を洗わないように。

[amazonjs asin=”4492314067″ locale=”JP” title=”超ヤバい経済学”]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です