ライフログのすすめ

ライフログのすすめ―人生の「すべて」をデジタルに記録する! (ハヤカワ新書juice)ブログの話ではない。
個人のあらゆる記録をコンピュータ上に保存してしまおうという計画である。
ひょっとしたら人類を変えるかもしれない。

著者が進めているのは、請求書や医療記録だけでなく、自分が観た風景や感情を表すバイタルデータなど、人生の全てを電子的に記録するプロジェクトである。
自分自身を実験材料として、日々記録を続けている。

ビジネスの世界ではセンサー類の発達、低価格化により情報爆発が起こると言われているが、個人の情報収集の世界でもデバイスの低価格化がライフログを後押ししている。
動体検知機によって環境の変化を察知し、自動的に撮影をするカメラが、首から下げられるサイズで実用化されているようだ。

「人生の完全な記録」は、まず医療分野で威力を発揮する。
身体の状態の完璧な履歴は、曖昧な記憶を元にした問診と違い、正確な状況把握が可能である。
結果的に問題の発見精度が向上し、寿命が延びる。

また、自分の行動について、客観的なデータを元に分析・反省が可能となり、効率が向上する。
将来的には、完全な記録を元に自分自身のバーチャルな分身と対話することが出来る。
更には、自分が死んだ後も、このバーチャル・ツインが子孫からの質問に答え、永遠の生を得ることが出来る。

SFのような話だが、その仕込みは既に始まっている。
コンピュータと人間の新しい関係がここにある。
この分野は面白そうだ!

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