お金の流れが変わった!

お金の流れが変わった! (PHP新書)世界の明日は、行き場もなく彷徨う4000兆円のホームレスマネーが握っている。
大前節炸裂の経済論である。
現状は厳しいが、将来への明るい提案があるのが救われる。

時代は今やアメリカでも、中国でもない。
投資先を探して世界を彷徨っている4000兆円もの「ホームレスマネー」の過剰流動性が握っている。
これは先進国の年金、貯金、保険と中東のオイルマネー、中国マネーで出来ている。

ホームレスマネーは非常に足が早く、時には数秒で移動する。
ホームレスマネーによって次々にバブルが作られ、場合によっては国家さえも崩壊へ導く。
そして、ホームレスマネーが目指しているのは新興国である。

この本では、各新興国の現状と日本の進出可能性について解説されている。
中でもインドネシアは、日本を「世界でいちばん好きな国」にあげる人が75パーセントも居るし、ポカリスエットが国民飲料になっている有望な国である。

日本国債大暴落の可能性や、経済のわかっていない民主党など、暗い話も多いが、最後にはちゃんと未来への処方箋が用意されていた。

新興国では、最先端技術の分野で勝負しなくても、かつて高度経済成長期に経験したマーケティングで十分戦える。
公共事業、原子力発電などの分野、貧困層(BOP)ターゲットも可能性が高く、実績もある。

湾岸100万都市構想、シャッター街の活性化、秋葉原・渋谷・北海道への外国人観光客の誘導など、景気のいい提案が最後に登場し、話がうますぎる気もするが、明るい気持ちで読み終われる本である。

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