パラソルを持ったソウルレスの貴婦人アレクシアが、吸血鬼と人狼と人間が共存するロンドンで活躍する大人のためのファンタジーも3作目。
前作では不可能な懐妊が発覚し、夫のオオカミ王から屋敷を追われた彼女だが、当然黙っている訳がない。
舞台はヨーロッパへと移り、ますます楽しくなっていく。
貴族社会に対する当てこすりは相変わらず面白い。
今回は、アレクシアを守ってヨーロッパを逃げ回る、パラソル防衛団のドタバタ道中が楽しい。
日本人には本当のところよく分からないが、ヨーロッパ人の他国に対する他愛もない偏見が笑える。
ピンチのレベルは上がっているのに、どこか優雅でのんびりしているのも、20世紀の始め辺りを舞台にしている冒険活劇ならではだろう。
キャラクター作りも秀逸だが、謎の提示がとても上手い。
アレクシアのお腹の子供が何者なのか、気になって仕方ない。
一日も早い続巻の翻訳を望む。
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