狼王ロボ

狼王ロボ シートン動物記 (シートン動物記) (集英社文庫)「ファーブル昆虫記」が思いのほか、面白かった。
ファーブルと来れば、シートンだろう、とこの本を買った。
けれども、残念ながら「昆虫記」ほどの感動はなかった。
「動物記」で扱われている哺乳類は、人間に近く、その生態が昆虫ほど異質ではなかったのが理由かもしれない。

本書に収録されているのは、「狼王ロボ」「灰色グマの伝記」「カンガルーネズミ」「サンドヒルの雄ジカ」の4編である。
前2編は、だれもが読んだことのある有名な作品だ。

狼王も、巨大な灰色グマも、年老いて死んでいく姿がさびしい。
特に灰色グマは、自分よりも小さい相手のだまし討ちに合い、段々と弱っていくのは読んでいて辛い。

昆虫と違って、簡単に感情移入出来てしまうも「動物記」で盛り上がれなかった理由かもしれない。
同じ哺乳類なので、同じような感情があると思い込んでしまう。
生態としても、この本を読む限りでは、昆虫ほどの驚きがない。
なので、「シートン動物記」は、ここまで、ということで。

本文の挿絵はシートン本人の手によるものらしいが、その精緻さには驚くばかりである。

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