使える行動分析学

使える行動分析学: じぶん実験のすすめ (ちくま新書)行動分析学の手法を使って、じぶんの行動を分析し、改善しようと提案している。
科学的な精度には欠けるが、じぶん実験は生活向上の役に立ちそうだ。
著者が実際に大学の演習で行っている手法であり、学生が行った事例も若者らしくて微笑ましい。

じぶんを実験台にして行動分析をする「じぶん実験」の目的は、じぶんの幸せの追求である。
じぶんの行動を分析することで、自分の行動の理由が理解できる。
その結果として幸福になるかどうかは分からないが、何が自分の幸福度を増し、不幸感を減らすのかを知りことができる。

行動分析学では、行動を「行動随伴性」から考える。
行動の前後に何が起こったかを観察するのだ。
この方法をABC分析という。
行動の前の現象を「先行事象」、後の現象を「後続事象」と呼ぶ。
後続事象には、行動の頻度を高める「好子」と下げる「嫌子」があり、その効果を増減させる条件を「確立操作」という。
さすがに大学の先生だけあって、言葉の定義が細かく、ちょっとややこしい。

また、行動随伴性は行動の直後、少なくとも60秒以内でなければならない。
それ以降の場合は、「強化もどき」「弱化もどき」で直接的な効果はない。
たとえば、すぐに効果の現れないダイエットは「ちりも積もれば山となる型」、確率の低いリスクに対する対策は「天災は忘れた頃にやってくる型」となり、行動の変化の原因にはなりにくい。

実験の手順は以下の通り。

1.解決したい問題や達成したい目標を選ぶ
2.標的行動を決める
 1)死人テストをパスする
 2)具体的である
 3)数値化できる
3.原因推定(ABC分析)
4.介入なしのベースライン測定(グラフ化)
5.介入立案(早見表の参照)
6.介入後の測定
7.結果の分析、介入方法の見直し

実際に大学の生徒が実施した実験の具体例が多く紹介されている。
部屋を片付けられるようになりたい女子や、好きな子を海に誘うために腹筋を習慣にしたい男子など、若者らしい悩みと努力が微笑ましい。
自分の生活で試してみても楽しそうな方法である。
ただ、報告したり、相談したりできる先生がそばに欲しいところだ。

授業で自分実験の演習をすると、計画した通りに行動が変わることが「正解」で、変わらないのは「間違い」であると勘違いする学生が出てきます。ずっと真面目に勉強してきた優等生ほど、この傾向があるようです。
実験というのはやってみないとわからないときにするのです。結果が確実にわかっていることなら、実験するまでもないし、やっても面白くありません。

[amazonjs asin=”4480067728″ locale=”JP” title=”使える行動分析学: じぶん実験のすすめ (ちくま新書)”]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。