学びの技

学びの技 (YOUNG ADULT ACADEMIC SERIES)「14歳からの探求・論文・プレゼンテーション」とサブタイトルにある通り、想定している読者は中学生くらいなのだろうが、ちゃんと論文の書き方を学ばなかった私のような大人にも、とてもためになる本である。
「探求・論文・プレゼンテーション」のそれぞれのステップでの、ポイントと手法を丁寧に説明している。

まずは、「目標を設定する」である。
「目標を設定する」ヒントとして、次のようなステップを薦めている。
1.夢を描く
2.大きな目標を作る。
3.プロセスを検討する。
4.小さな目標を作る。
5.実行する。

探求学習のステップは以下の通りである。
1.周辺知識を得る。
2.議題(問い)を決める。
3.情報を収集する。
4.情報を取捨選択する。
5.論理的にまとめる。
6.発表する。
7.評価する。
それぞれのステップでの感情の変化が説明されているのが面白い。

よい論題の見つけ方には次のポイントを紹介している。
・自分が興味を持っている。
・問いの形になっている。
・大きすぎない。
・専門的すぎない。
「問いの形になっている」と「何を明らかにしたいか」が明確になる。

自分の関心領域を見つけるのに、「マインドマップ」の利用を薦めている。
その時に、次のキーワードを意識すると作業が進めやすいようだ。
得意なこと、好きなもの、興味、関心、好きな教科、目標、性格、気になること、将来の夢。

論題は絞り込むことによって、探求しやすくなり、オリジナリティが生まれる。
そのために、キーワードに質問をぶつける「5W1H+Yes/No」の手法を紹介している。
「Yes/No」では、信ぴょう性(事実か?)、比較(ほかはどうか?)、特殊化(これについては?)、一般化(これだけか?)、限定(すべてそうなのか?)などで問いの形をつくる。

情報収集の方法としては、図書館検索、雑誌論文検索、オンラインデータベース、統計資料、インタビューなどの手法が紹介されている。

論理的に考えるために、「探求マップ」を作成することを薦めている。
書き出して視覚化することで、新たな発見があり、足りない部分を見つけることができる。
「探求マップ」は、問い、基本知識、根拠、結論の各章での根拠を明確化し、書き出したものである。

子どもにも有用だろうが、それだけではもったいない。
大人が読んでも十分ためになる本である。
プレゼンの準備のために使えば、今までよりも論理的なプレゼンが出来るかもしれない。

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