ランチのアッコちゃん

ランチのアッコちゃん (双葉文庫)2014年の本屋対象にノミネートされた短篇集。
食事を軸に、若い女性を主人公にした爽やかなお話ばかりである。

「ランチのアッコちゃん」
小さな出版社で働く派遣社員の澤田三智子は、ちょっとしたきっかけで営業部長の黒川敦子、通称・アッコ女史とランチの交換をすることになる。
1週間の間、三智子の作った弁当をアッコ女史が食べて、アッコ女史がいつも食べているランチを三智子が食べるのだ。
自信をなくし、自分の殻に篭っていた三智子は、ランチで個性的な人々に出会うことで、自分を取り戻していく。

「夜食のアッコちゃん」
出版社が潰れ、商社で働く三智子は、社員と派遣社員の間で板挟みとなり悩んでいた。
そんな時、ワゴン車でポトフの移動販売を始めたアッコ女史と再会する。
就業時間以外でアッコ女史の手伝いをすることになった三智子は、アッコ女史に振り回され、深夜にも及ぶ仕事に疲労困憊しながらも、人々の様々な生活に触れる。

「夜の大捜査先生」
元ヤンキーで、もう若くはないことを自覚しつつある満島野百合は、合コンを抜け出し、かつての先生と女子高生を追って夜の渋谷を走り回る。

「ゆとりのビアガーデン」
ゆとり世代の使えない新人だった佐々木玲実が、クビになった会社のビルの屋上でビアガーデンを始めた。
彼女をクビにした社長の豊田雅之は、思いつきで始めた商売がうまくいくはずがないと思っていた。
けれども、ビアガーデンは評判となり、玲実とのやりとりをするうちに豊田も変わっていく。

後の2本にもアッコちゃんがちょっと登場するのがご愛嬌である。

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