縮みゆく男

縮みゆく男 (扶桑社ミステリー)「地球最後の男」「ヘルハウス」「激突」などで有名なリチャード・マシスンの有名な古典である。
どんどん小さくなっていく男の悲劇が描かれている。
バカバカしい設定だが、主人公の苦悩はリアルである。
「あとがき」にもあるように、実存主義的テーマの小説かもしれない。
ちなみに、「あとがき」がデイヴィッド・マレル、「解説」が町山智浩という豪華版である。

この小説の多くの部分は、主人公のスコットが地下室で蜘蛛と闘いながら、水や食糧を求めて棚を登坂する冒険物語として語られる。
そして、その合間にフラッシュバックで過去の思い出が挿入されている。
原因不明のまま着実に小さくなっていった日々の辛い記憶である。
妻より小さくなってしまったことにコンプレックスを持ち、子どもと間違われて酔っぱらいに攫われそうになり、子どもたちに虐められ、妻よりも小さいという理由で16歳のベビーシッターに欲情し、実の娘に掴まれて死にそうになる。
状況が悪化する中、スコットは常に妻に当たり散らしている。
読んでいて辛くなる。

毎日数センチ小さくなることが分かっているので、自分が消えてなくなる日が計算出来てしまう。
あと数日で消えてしまうはずなのに、生きるために必死で蜘蛛と戦い、食糧を求めて奮闘する。

消えてしまいそうなサイズに近くなった時、スコットは悟りのような境地に辿り着く。
嫌になるような辛い描写が多かったので、前向きならラストが嬉しい。

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