コンセプトの作り方

コンセプトのつくり方 たとえば商品開発にも役立つ電通の発想法電通の発想法を解説した本である。
身体的発想法だけあって、本を読んだだけではピンとこなかった。
多分やってみるしかないのだろう。

「身体性の復権」という心理学を発端とする流行にも興味がある。
無意識は意識に比べれば遥かに巨大で、無意識にアクセスするには身体の反応を利用するのは有効だと思うからだ。

この本ではコンセプトは「サーチライト」だとしている。
経験的世界という暗闇を照らしだすからだ。
イノベーションではサーチライトが変わる。
物事の見方、切り口が変わるからだ。

イノベーションのためには2つの軸は必要だという。
1つは、マネジメント軸。
論理的で、組織や個人の「ビジョン」と「具体策(現実)」の間を行ったり来たりする。
もう1つは、コミュニケーション軸。
主観的・感覚的で、「ターゲット」と「商品・サービス」の間を行ったり来たりする。
コンセプトは、この相互作用で生まれる。
この2つを両立させるのが身体的思考である。

身体的発想法の事例がほとんど食べ物だった。
ブランド牛やプリンにあまり興味がないので、ピンとこなかった。

こういった一見すると非合理だけれど、コンセプトからすると一貫した具体策(現実)のことを経営学の世界では「クリティカル・コア」と呼びます。楠木建『ストーリーとしての経営戦略』は「戦略ストーリーの一貫性の基盤となり、持続的な競争優位の源泉となる中核的な構成要素」と定義しています。尾崎牛は「友人の延長線上での流通」は「胃にもたれないお肉」などいくつもの常識を覆したわけですが、その中核になっているのは「尾崎牛」というネーミングです。常識に縛られた人たちが物理的に「マネできない」のではなく、サーチライトが違うから「マネしたくならない」というのがポイントです。

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