ポジティブ心理学が1冊でわかる本

ポジティブ心理学が1冊でわかる本タイトル通り、ポジティブ心理学について包括的に説明している本である。
ポジティブ心理学では、現在どのようなテーマがホットか理解できる。
そして、ポジティブ心理学の現状について、批判的なところもあり、現在の理論が絶対ではないとしている姿勢に好感が持てる。

ポジティブ心理学は、従来の心理学が病気などのネガティブなものを治す視点なのに対し、人間をより良い方向に導く心理学の可能性を追求している。
幸福感、フロー、強み、知恵、創造性、精神的健康などが主要テーマとなっている。
視点としては新しいものではなく、古代ギリシャの哲学者が追求した分野でもある。
また、先行している類似分野の人間性心理学とは、主流科学の手法を尊重していることが異なる。

この本ではポジティブ心理学のテーマが多岐に渡って解説している。
その中で、私が興味を持った分野は次の通りである。

ウェルビーイングとは、心と身体の健康である。
しかし、人生の満足度と感情の組み合わせで測定される研究の方法は、主観的であることは否めない。
ウェルビーイングは操作可能かというのも研究されている。
現状の調査結果として、ウェルビーイングに関係あるものとしては、楽観性、つながり、趣味等が判明している。
逆に関係ないものは、年齢、お金、教育等がある。

ユーダイモニックという観点での研究もなされている。
ユーダイモニックとは「真の幸福」を意味し、快楽的を意味するへドニックとは対極にある。
科学というより哲学的ニュアンスの定義という気がしないでもない。
ユーダイモニックは様々な理論があるが、その中の自己決定理論では、自主性、有能感、関係性が重要だとされている。

選択肢過多の問題も取り上げられている。
選択肢によって自由を得られるが、多すぎる選択肢は意欲を失わせる。
対策としては、比較をしない、期待値を下げる、不変ゾーンを持つ、ほどよい満足を持つ、などが挙げられている。

「強み」の研究では、いくつかの分類方法が紹介されている。
「強み」を活かすには、自分の強みを発見し、日常に適用するのが良いとされている。
しかし、「マインドセット」との矛盾が問題視されている。

日常の暮らしにポジティブ心理学を活かす、介入法もいくつか紹介されている。
単純で、効果があるのは、毎日寝る前に3つの「いいこと」を思い出す方法らしい。
もうひとつの簡単な方法は、「ランダム親切」である。
これは、ランダムに他人に対して親切にする方法だ。
この2つの方法については、多くの研究で成果が検証されている。

内的モチベーションを喚起するには
難しさがちょうどよく、自分にはうまくやれると感じることができ、満足感を与えてくれるような活動をするとき、内的モチベーションが高まります。

強みを見つけ、活かすには
(VIAやギャラップ社による強みの分類から)高い点数がついた強みを抜き出し、それぞれについて、さらに3つの質問をしてください。
「これが本当の私なのか」、「この強みを使うことは楽しいか」、「エネルギーがあがり、ワクワクするか」

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