突変

突変 (徳間文庫)地球上のある地域が突然入れ替わる現象が発生していた。
そこには地球とは違う生態系が出現する。
代わりに、その地域は「裏地球」と呼ばれる別世界に飛ばされてしまう。
「裏世界」に飛ばされた人々は、少ない物資で食いつなぎながら、異様な生物と戦うことになる。

設定からしてスティーヴン・キングの「ミスト」か楳図かずおの「漂流教室」のような感じである。
少し違うのは、この現象は既に世界で数件発生しており、多少は対策が立てられていることだ。
「チェンジリング」と呼ばれる「裏世界」の生物に対抗する国家機関や地域組織が存在することだ。
しかし、地域組織は消防団と似たようなものだし、国家機関は有効に機能するほど人数が居ない。

驚いたのは、割りと最初の頃に、以前裏地球に飛ばされた人間による組織と接触したことだ。
ゾンビ系終末世界の定番として、資源を巡る人間同士の血みどろの戦いとなると思ったら、そうでもなかった。
自分の派閥を大きくするための政治的な駆け引きこそあるもののの、比較的穏やかな協力関係となる。
日本人としては、説得力のある展開である。

ほぼ怪獣と言えるチェンジリングも登場するが、少し地味である。
でも読みやすく、飽きさせない、良質なエンターテイメントだった。

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