無意識の整え方

人生が変わる! 無意識の整え方 - 身体も心も運命もなぜかうまく動きだす30の習慣 - (ワニプラス)「脳はなぜ『心』を作ったのか」で意識の役割について革新的な仮説を提示した前野隆司による対談集である。
合気道の達人、僧侶、コーチングの指導者、医者といった異なる分野の相手と無意識について語り合う。
アプローチの仕方は違うが、無意識を重要視する面では共通している。

前野隆司が「脳はなぜ『心』を作ったのか」で提唱したのは、人間の行動は、脳の中の沢山の小さな機能のせめぎ合いで決定さえており、「意識」は、物語として記憶するために後づけで結果を認識しているに過ぎない、というものだった。
そこでは、一般に考えられているよりも意識の役割は小さくなり、代わりに無意識が重要な位置を占めることになる。
本書は、無意識と独特の付き合い方を実践している異なる分野の相手との対談である。
分野やアプローチこそ違い、無意識を重要視していることは共通している。

一人目は、合気道家である藤平信一である。
意識で考えるのではなく、身体に覚え込ませる「型」を重視するのが、武道家としての無意識との付き合い方のようだ。

二人目は、僧侶の松本紹圭だ。
もともと自分の存在を否定する仏教は、無意識主体の考え方と相性がいいようだ。

三人目は、森で過ごすコーチングのプロである山田博だ。
森の中では意識が開放され、感覚が鋭敏になるらしい。
森での生活で得た「分かろうとしすぎない」というスタンスはインパクトがある。

四人目は、医者の稲葉敏郎である。
民俗学を使って医療を発展させようという発想が面白い。
真や善のような西洋的な二元論ではなく、美に調和させる日本的な方法を追い求めている。

どれも刺激的な対談で、現代の考え方を見直すきっかけを与えてくれる。
SFのネタになりそうな発言も多かった。

藤平 その答えにあたるものを、わたしは持っていません。ですから科学とは真逆のアプローチになるんですけど、「普遍性、再現性がある」ということを体験的に実証していくというスタンスを取っています。

松本 現代思想家のケン・ウィルバーは、宗教には2つの方向の機能があると説明しています。水平方向の機能はトランスレーション(翻訳、物語化)で、垂直方向はトランスフォーメーション(変容)。歴史的に長く受け継がれてきた宗教には、この2方向の機能が備わっているというんです。

山田 おお、そうですね。「わかろう」とする好奇心自体はいいことだと思うんです。でも理解のあとに「コントロールしたい」という欲望を人間は抱きやすい。そこは充分、気をつけるべきだと思っています。ぜんぶわかったつもりになると「この森をもっと効率よく再生しよう」とかいう考えが、出てくるじゃないですか。

稲葉 やっぱり「真・善・美」で考えると、真と善は必ず対立します。これが正しい、これが善いと、互いが真と善を主張しあって譲らず、その対立が戦争を起こしたりするわけです。だからこそ、日本人は美で調和している。人類にが美と芸術が絶対必要なんだというのは、そのためでもあります。

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