先天性の異常で醜い顔に生まれついた男の子の物語。
周りの人間に恐れられ、差別されることもあるが、家族や友達に支えられて、普通の学校で生活していく。
各章ごとに語り手が変わる構成が面白い。
思ったより、暗い話ではなかった。
映画にもなった小説で、宇宙服のヘルメットを被ったビジュアルが有名。
ヘルメットは、この物語より昔に近所の友だちからもらったプレゼントである。
本人は気に入っていたが、人の視線から逃げ続ける生き方をしないために、父親がこっそり隠してしまった。
それぞれの章で語り手が異なり、同じ事件でも違う視点で語られる。
特に面白かったのは、姉と姉の友人の章。
姉は弟を愛しているが、自分に子供が生まれた時に、弟のようになるのを密かに恐れている。
また、常に醜い弟とセットで見られるのを嫌い、新しい学校に進学した時には、弟の存在を隠した。
そして、そんな自分に恥じ入り、考え直した。
近所に住む姉の友達は、恵まれない家庭環境にあり、醜い子供が居ても愛し合っている家庭に憧れを抱いていた。
サマーキャンプの時、自分には醜い弟が居ると嘘を付くと、図らずも人気者になってしまう。
その結果、憧れていた家族にも会いづらくなってしまう。
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