天才たちの日課

歴史上の偉人たちの日課だけを集めたユニークな本である。
科学者、哲学者、小説家、画家など、とにかく事例の数が多い。
驚くのは、多くのクリエイターたちが、規則正しい生活をしていたことだ。

この本で取り上げられている多くのクリエイターは、インスピレーションに頼って作品を作っているわけではない。
とにかく毎日書く。
これを信条にしている。
この日課を守るために、様々な工夫をしている。
家族が起きる前に書く。
仕事部屋を別に借りて、誰にも住所と電話番号を教えない。
カーテンを締め切って、外部の光さえも入れない。
インスピレーションを待つのはアマチュアらしい。
プロは、アイディアがなくても、決まった時間には執筆する。

もうひとつ、多くの天才に共通しているのが「散歩」である。
「散歩」の時にアイデアが浮かぶ人が多い。
これは、試してみても良いかもしれない。

また、多くの作家は午前中に執筆をしている。
そして、その時間は長くない。
2時間の短時間アルバイトと考えている作家さえいる。

毎日、早起きし、午前中に執筆し、その後に散歩すれば天才の仲間入りができるかもしれない。

長編小説を書いているとき、村上は午前4時に起き、5,6時間ぶっとおしで仕事をする。午後はランニングをするか、水泳をするかして、雑用を片付け、本を読んで音楽をきき、9時に寝る。「この日課を毎日、変えることなく繰り返します」2004年の「パリス・レビュー」で村上はそう語っている。「繰り返すこと自体が重要になってくるんです。一種の催眠状態というか、自分に催眠術をかけて、より深い精神状態にもっていく」
村上春樹

行動心理学の創始者であるスキナーは、日々の執筆活動を科学実験のようにみなし、毎朝の執筆を条件づけるために、2つの自己強化行動を実施した。ひとつはタイマーのブザーに従って執筆を開始し、終了することで、もうひとつは執筆の時間数と書いた語数をグラフにきちんと記入することだ。
B・F・スキナー

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