チャイルド・ファインダー 雪の少女

行方不明の子供を専門に探す探偵「チャイルド・ファインダー」。
チャイルド・ファインダーのナオミは、自身も子供の頃に誘拐された経験を持つ。
しかし、誘拐されていた時の記憶がほとんどなく、記憶の断片からわき出す悪夢に悩まされる。
そんな彼女は、執拗に子どもたちの行方を追う。

本作では、ナオミは2人の子供を追う。
雪山でいなくなった少女と、どこで居なくなったか分からない赤ん坊だ。
彼女の捜査は地道で、孤独だ。
しかし、周囲には彼女を助けようとする人が多く居るのだが、彼女は気づかない。
もしくは受け入れない。
子どもたちを探すことは、失われた過去を取り戻すことであり、贖罪でもある。
その理由は、ラスト近くで明らかになる。

そして、ナオミはなかなかモテる。
彼女の外見についての描写はほとんどなかったように思えるが、彼女を守りたいと願う男性キャラが何人か登場する。
ラブ・ロマンス的な側面もある小説だ。
また、ミステリーだが、随所に良い表現がある。

少女が誘拐犯と仲良くなるのが嫌だったが、最後まで読みと理由がわかる。
最後は感動的である。

続編では、すべての謎が解明されるらしい。

「まるで自分には救助される価値がないみたいな言い方だな」思わず、彼は口を滑らせた。
「私に価値があるとすれば、それは子供たちを見つけるからよ」ナオミは静かに言った。「あなたに救ってもらったおかげで、マディソンを探せるわ。だからありがとう」

ナオミが見つける子供一人ひとりが、彼女が抜け出した恐ろしい世界にいまだ取り残されている彼女自身の一部であり、そのかけらだった。最終的にそうしたかけらが全てが合わさり、1つの全体を形作るはずだーそれらが編みあわされるときが勝利の瞬間なのだ。

「私は何を恐れているの」カラカラに乾いた口で言った。
「あんたが恐れているのは」ウィンフィールドは身をかがめ、ほとんどナオミの耳に口をつけんばかりにしてささやいた。「見つけられることだ」

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