アンドロメダ病原体-変異-

まさかの「アンドロメダ病原体」の続編。
この頃、40年くらい前の作品の続編やリブートが多いが、この作品の続編が出るとは。
前作の著者であるマイケル・クライトンは既に亡くなっているので、本作は別人が執筆した。
それでも、クライトンの遺族公認らしい。
クライトンっぽいケレン味のある設定と、彼には無かったスケールの大きさがある続編だった。
アンドロメダ病原体の変異に納得できるかどうかが、この作品にのれるかどうかの分かれ目だろう。

前回のアンドロメダ事件で、変異して無害となったアンドロメダ病原体だが、大気圏をさまよう病原体が、いつまた変異し、人類に牙をむくかもしれないので、世界中で監視していた。
そして、それは他国がアンドロメダ病原体を兵器として利用することを警戒してのことでもあった。
そんな時、アマゾンの奥地に中国の衛星の破片が墜落し、アンドロメダ病原体らしきものが広がりはじめた。
国際的な研究者のチームが送り込まれるが、そこで見たのは驚きべき光景だった。

そういえば、アンドロメダ病原体は研究所から逃れたままだった、と思い出した。
なるほど、一度変異して無害になったからといって、いつまでも無害とは限らない。
前作の設定を活かした巧みなストーリーだと思った。

ストーリーのなかに最新科学の技術や理論を織り込む手法は、クライトンを踏襲している。
3Dプリンターで出力した山の模型を触ることで異常を発見する監視員、身体障害者故にブレインーマシン・インターフェースの達人となった研究者などなど。
研究者チームの行く手はドローンが探査し、有毒物の有無を確認してくれる。
ジャングルでの宝探しの旅は、それだけでもワクワクする。

アンドロメダ病原体は、異星人からのメッセージではないか、というのが今回のメインテーマである。
その考え方は面白いが、アンドロメダ病原体の変異が凄すぎる。
ここからはネタバレになる。
変異したアンドロメダ病原体は、なんと軌道エレベーターになってしまうのだ。
軌道エレベーターで地上に降りようとする病原体を、いかに阻止するかがひとつのクライマックスになっている。
しかし、病原体が変異して、軌道エレベーターの素材になる理屈が分からない。
イメージ的には壮大で良いが、原理は魔法にしか思えない。

最後に、主人公が前作の事件で生き残った赤ん坊だった、というのは前作のファンには嬉しい驚きである。
そして、そのため感染から守られ、危機を乗り越えることが出来た。

うまく映像化したら、かなりの迫力の作品になるだろう。

大佐はラミネート加工された極秘文書のページに目をやり、そこにならぶ数値の列を指でなぞった。ページにはきわめて重要な情報が、子供の書いた読書感想文のように、簡潔素朴に記されていた。むかしながらの金言であるKISS――〝 簡潔を心がけろ、 阿呆〟の方針に準じて書かれているのだ。

それに……地球に落ちてきたその あるもの が、高度に洗練された道具であり、さまざまな形態に進化するよう設計されたものであることもね。一連の進化の目的は、たったひとつ。あちこちの惑星に生物を見つけだして、その生物を惑星の地表に、永遠に閉じこめておくこと。

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