間を空けて読んだせいで、途中で何が問題だか分からなくなってしまった。
やはりミステリーは一気に読まないと。
気難しい探偵と小説家の助手が主人公の古典的な探偵小説ホーソーン・シリーズの最新作である。
巻末の解説がたのしい。
著者であるアンソニー・ホロヴィッツが、元刑事であり探偵業を営むダニエル・ホーソーンの捜査に、気が向かないながら同行するパターンはいつも通り。
ミステリーとしては、古典的であり、無理がない。
間を空けて読んだせいか、ミステリーとしての謎には興味が持てなくなっていた。
事件としては地味なのだ。
それよりも、このシリーズは、なかなかプライベートを明かさないダニエル・ホーソーンの姿を、徐々に解き明かすのが目的であり、楽しみではないか、と思えてきた。
マンネリというのは、探偵小説ではあながち悪いことではない。
読者もいつものお約束を期待していたりするのだ。
なまじひねった展開にすると、バランスが崩れて、シリーズが崩壊する恐れがある。
ホーソーン・シリーズは、マンネリで良いから、末永く続いて欲しいものだ。
今やアンソニー・ホロヴィッツは翻訳ミステリファンが最も訳出を楽しみにする作家のひとりになった。次に来るのは『カササギ』のアティカス・ピュントか、『メインテーマ』のダニエル・ホーソーンかと楽しみにしていた読者も多いはず。
お待たせしました。さあ、来たぞ。2020年はホーソーンのターンだ。