昆虫の惑星

昆虫についてのトリビアの塊。
全部覚えて、人に話したい。
図書館で借りたが、手元に置きたいし、引用のためにもKindleで購入した。
昆虫についての驚くべき生態を、どのようにしたら覚えられるのだろう。

冒頭の言葉、
「この世界には、ヒト一人につき2億匹以上の昆虫がいるともいわれる」
に痺れる。
昆虫は、「種の数」としても、これまで発見された多細胞生物のゆうに半分を占めている。
地球は、昆虫の惑星なのだ。

【眼】
昆虫にとっての眼にあたる器官は頭にあるとは限らない。
アゲハチョウのなかには、雄はペニスに、雌は尻に眼がついたものがいる。
雄は巧みに位置を調整しながら交尾し、雌はおかしな場所に落とさないように確認しながら卵を産み付ける。

昆虫はヒトには見えない「偏光」を見ることができる。
「偏光」とは電場と磁場が規則的な方向に振動している光のことである。
昆虫は、「偏光」をコンパスのように使って自分の位置を把握している。

【肺】
昆虫には肺がない。
その代わりに「気門」と呼ばれる穴があって、枝分かれしたストローのように気管に繋がっている。
気管が空気で満たされると、細胞に酸素がいきわたる。
昆虫は血液を使わずに、身体のすみずみに酸素を送ることができる。
昆虫の血液は酸素を運ばないので、ヘモグロビンを含まず、赤色をしていない。

【脳】
頭を切り落とされたミバエは、数日間はそれまでと変わらず、飛んだり交尾したりする。
もちろん口がないので、最終的には餓死する。
頭にある主要な脳以外にも、全身に張り巡らされた神経の節々に小さな”情報処理センター”があるので、頭を失っても多くの部分の働きが維持される。

【交尾】
雌は、短期間に複数の雄と交尾し、「受精嚢」と呼ばれる袋に精子を貯めておく。
雄は自分の子孫を残したいので、ひしゃくやスプーンのような器官のついた生殖器で、受精嚢に入っているライバルの精子をかき出す。
交尾の後に、雌の生殖器に栓をして立ち去る雄もいるが、その栓を外す雄もいる。
雌が他の雄と交尾できないように、長い時間をかけて交尾する雄もいる。
ミナミアオカメムシは、10日間も交尾を続けるし、インドナナフシにいたっては97日間もくっついて過ごす姿が目撃されている。

【子孫】
アブラムシは繁殖を重ねるうちに、付近が飽和状態になる。
最初のうちは「翅を持たない幼虫」を生んでいた雌は、飽和状態になると「翅のある幼虫」を生むようになる。
翅があれば、飽和地帯から遠く離れられるからだ。

ミツバチ、アリ、スズメバチは性染色体を持たない。
性別は卵子が受精しているかで決まる。
溜め込んでいた精子を注入し受精させれば雌になり、受精なせなければ雄になる。
それを女王がコントロールしている。

【食】
世界中の雲が1年間に食べる昆虫の送料は、およそ4,000億〜8,000億トンという試算がある。
この量は、全人類が消費する肉と魚の総量を合わせてもおいつかない。

スズメバチの成虫は、胸と腹のあいだが極端にくびれているせいで、液状のものしか食道を通過できない。
肉のかけらを持ち帰り幼虫に与え、幼虫が咀嚼してゼリー状になった栄養液(ヴァーム)をなめる。

【牧畜】
アリはアブラムシがよその植物に移動しないように、翅を食いちぎって管理する。
また、ある種の化学物質を使って、翅が生えた個体の成長を抑えたり、歩いて移動するのを止めたりする。

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