ものがたり西洋音楽史

岩波ジュニア文庫にしては難しいと思った。
大きな流れは分かりやすいのだが、細かい部分で専門的で、たまに追えなくなってしまう。
もっとメジャーな作曲家を前面に出せば、とっつき易かったと思う。
文中に()内の補足が多く、読みにくい。
脚注にした方がすっきりする。

本書では、西洋音楽の歴史を次のように分類、説明している。

音楽は聖句の乗り物
 中世(5世紀後期〜14世紀)

言葉を収める音の伽藍
 ルネッサンス(15世紀〜16世紀)

音楽の劇場
 バロック(17世紀〜18世紀前記)

芸術としての音楽
 古典派、ロマン派、モダニズム(18世紀後期〜20世紀)

分類としては一般的だと思う。
神への捧げものから始まり、貴族の所有物、民衆の娯楽という展開も分かりやすい。

音楽理論の変遷は文字だけで読むとイメージが難しい。
代表する曲の演奏を聴けば良かったのかもしれない。
インターネットで検索すれば、いくらでも聴けるだろうし。

古代ギリシアのピュタゴラスにはじまったとされる音楽についての数理的な思考の伝統を受けて、中世では、「音楽」(理論としての「音楽」) は、重要な学問として、いわゆる「 自由 七 科」の中の数学的四科の一つに位置づけられます。つまりそれは、数にかかわる学問だったのです(こうした考え方は、ずっと後の時代まで引き継がれていきます)。真の音楽家とは、知的な学科として「音楽」を理解した人のことであって、音楽の実際的な作曲や演奏は、はるかに低く見なされていました。

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