海底から地球内部を探索する科学の解説。
地球内部の構造は面白く、まだ分かっていないことが多いと知る。
海底掘削の技術的難しさなどは興味深い。
さまざまな研究方法にワクワクする。
ただ、日本は凄い、という自慢が鼻につく。
地質調査にあたって、ブレイクスルーと投資の関係についての発言がカッコいい。
「一つの孔ですべてのマントルが分かると言っているのではない。
一つの孔からはじめなければ、いつまでもマントルについての真の理解は得られない」
「コロンブスの計画に対する侍従の「同じ資金を全ての帆船の改良に回して、1〜2ノット速くすべき」という諫言と同じだ。
その通りにしていれば、アメリカ大陸は発見されなかった」
「残留磁気」というのも「残留思念」に似ていて、心惹かれる。
玄武岩マグマは冷え固まる時に地球磁場の影響で磁気を帯びる。
固まった時にN極が北を指すように固定される。
残留磁気を調べると、過去にN極とS極が何度も入れ替わっていることが分かる。
地球内部を調べる測定技術も面白い。
有孔虫の炭酸カルシウム殻に含まれる酸素の同位体比を測定し、含まれる地層の年代を特定する。
イリジウムはほぼ一定量地球に降り注ぐ。
それが非常に多く含まれていたことから、巨大隕石の衝突が予想された。
近年、以下の隠れた主役の存在が分かってきた。
1.地殻深く、さらにマントルにまで存在する可能性のある地下生物圏の役割
2.全地球を循環する水の役割
3.全地球を循環する炭素の役割
地殻内部に、われわれの知らない生物圏がある可能性にはワクワクする。
地殻を通じて様々な物質が移動している場所やエネルギーが発生しているところでは、未知の生態系が存在する可能性がある。
地殻内部では一気圧以上の圧力なので100度で水が沸騰しない。
微生物が100度以上の温度で生息している可能性がある。