大学4年間の西洋美術史が10時間でざっと学べる

西洋美術史の流れを図解で説明しており、とても分かりやすかった。
西洋美術について、これくらいは覚えておきたいと思った。
Kindle Unlimitedで読んだが、購入して、手元に置いても良い本だ。

興味深いトピックをいくつか。

図像学では、その絵が何を描いているかを象徴、符号、寓意画の持つ意味を読み解く。
図像解釈学では、その絵がなぜ描かれたのかを分析する。

キリスト教では偶像崇拝が禁止されていたが、文字が読めない人のために絵が必要になった。
そのため、作品は制作者の個性を発揮する場ではなく、そのための署名は必要なかった。

16世紀では絵画を見るのは王侯貴族だったため、真正面から見る「中央一点消去法」で描かれている。
その200年後には絵画を見るのが大衆になったので、真正面の一点のみに限定しない「二店消失遠近法」で描かれるようになった。

西洋は建築に石材を使っており、素材が腐敗しないくので、素材=建材にオリジナリティがあることが重要だった。
東洋では建築に木材を使用しており、腐敗しやすく交換の必要があった。
そのため、素材ではなく図案のオリジナリティが重要だった。

美術の技法は「いかに美しくするか」「いかに安価にするか」という2つの矛盾を抱えて発展した。
最初はモザイクだったが、美しいがお金がかかる。
次のフレスコは、コストは下がるが短時間で描かなければならない。
壁画でない場合にどうするかという問題が残った。
テンペラ+木の板では、顔料とニカワを卵で混ぜて木の板に描く。
油彩+カンバスでは、卵の代わりに油を使いカンバスに描く。

その他、マニエリスムから始まる美術の歩みの説明も分かりやすくて良い。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です