学年の最終日、娘を事故で亡くした女教師が、担任の生徒へ教師を辞めると報告する。
その後の告白は驚くべきものだった。
実は娘が死んだのは事故ではなく、生徒の中に殺人犯が居るというのだ。
そして、彼女が実行した驚くべき復讐を語る。
少女を中学生が殺したという救いのない設定に、初めから読みたくなくなった。
しかし、読んでいるうちに引き込まれてしまう。
巧い作家だ。
娘を殺された先生の復讐が凄い。
第1章の告白にビックリしたが、ラストも容赦がない。
これを心地良く思ってしまうのも問題だとは思う。
しかし、復讐は甘美なのだ。
人殺しを何とも思わないモンスターだと思っていた犯人たちも、その動機には孤独と不安があったことが徐々に明らかにされる。
ある意味甘えだが、誰もが共感出来る弱さである。
全てを知った上で、女教師は計画を実行する。
どこまでも救いがなく、しかし、爽快でもある物語である。
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