「フィクション」カテゴリーアーカイブ

記憶屋

この頃は翻訳モノを読むことが多かったせいか、日本人の小説は読み易く、すぐ読み終わる。
人の記憶を消す「記憶屋」という都市伝説が秘かに広がっていた。
身近に記憶を消された人がいる主人公の大学生は、その謎を追う。
片思いの彼女に忘れられた主人公は、「記憶屋」に良いイメージを持っていない。
しかし、調査をしていると、多くの人は「記憶屋」に対して、好意的なことを知る。
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PROJECT HAIL MARY

「火星の人」のアンディウィアーの新作である!
「火星の人」では主人公は火星で一人ぼっちだったが、今度は相棒がいる。
それも気のいい異星人である。
次から次へと降りかかる難題を知恵と科学力で解決する展開は、「火星の人」と同様である。
原書で読んだので、分からないところや勘違いも多々あったとは思うが、それでも面白かった。
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メデューサとの出会い

クラークの日本オリジナル短編集の3巻。
知らずに3巻から読んでしまった。
クラークらしいハードで、楽天的でワクワクするSFばかり。
主に太陽系内での冒険物語。
科学の進歩が与える素直な希望と感動を描いた作品が、いまはほとんど見られないのが寂しい。
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ヨルガオ殺人事件

ミステリー界の各賞を総なめし、話題となった「カササギ殺人事件」のまさかの続編。
前作も驚くべき構造の小説だったが、本作も同じ作劇上のトリックが使われている。
本の中に本があり、本の中のミステリーが現実世界の謎を解くキーとなる。
謎を解くとこを目的とした本格ミステリーは好きではないが、このシリーズの大胆な構成には楽しませんてもらった。
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THE INSTITUTE

流石に大人向けのペーパーバックは、読み切るのに時間がかかった。
本作は、スティーヴン・キングによる、多分久しぶりの超能力者ものである。
アメリカ中からさらわれた少年少女が怪しい研究所INSTITUTEで、超能力を開発するためのモルモットにされる。
「ファイアスターター」のような泣かせる話ではなかったが、途中から少年の冒険物語となり、俄然盛り上がってきた。
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影が行く

さまざまなタイプのSFホラーが集められた日本独自の短編集である。
リチャード・マシスン、ディーン・R・クーンツ、フリッツ・ライバー、ジョン・W・キャンベル・ジュニア、フィリップ・K・ディック、デーモン・ナイト、ロジャー・ゼラズニイ、クラーク・アシュトン・スミス、ジャック・ヴァンス、アルフレッド・ベスター、ブライアン・W・オールディスといった堂々たる作家陣で、少し古めの小説が読み易い。
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夢探偵フロイト マッド・モラン連続死事件

同じような悪夢を見て、死人まで出てしまう事件を夢を研究する科学者と助手のCGオタク、単位欲しさに手伝う女子大生が追う。
ちなみにフロイトとは科学者の名前である。難しい漢字が当てられている。
夢を3DVRで再現して、その中をヘッドマウントディスプレイをして歩き回るのは面白い。
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蜂の物語

面白かった!
蜂の世界には、人間とは違う社会とコミュニケーション、宗教がある。
異質な知性の社会を描く本作は、異星人の世界を描くSFのようである。
主人公のスリリングな生き方に引き込まれる。
デストピア小説だと言われるが、あまりに異質な世界なので、全然そんな感じはしなかった。
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